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2013-06-24

憧れの後藤デフ

 
こんにちはエンドーです。
ここ数年、蒸気機関車が特別な装飾で走る機会が増えてきています。
蒸機ファンとしてはとても嬉しいことです。中でもデフレクターが特別仕様になると
外観のイメージがガラッと変わるので新しいイメージでの撮影ができます!
 
 
 
 
なぜこんな話をしたのかというと、2013年6月いっぱい秩父鉄道のC58に"後藤デフ"がついているのです。
さらに側面には国鉄のシンボルマークである [JNR]の文字が表現されています。このデザインはC58 33号機に装着されたものに準じています。平成生まれの私には蒸気機関車の全盛期を体験したことがあるはずもなく、特別装飾をした機関車など幻の存在! 否が応でも燃えます。
 
 
 
 
勝手に色々書いてしまいましたが、何がなんだかワカランというアナタへ
やさしい説明はできないのですが・・・まず『デフレクター(除煙板)』とは、機関車のボイラー脇に装着されている大きな板の名称です。この板を設置することで前方から受ける気流を変化させ、煙突から排出される煤煙を上向きへ誘導。結果として機関士の視界を向上させる狙いがあります。なかでも国鉄時代の小倉工場ではこのデフレクターを上部のみの仕様へと変形し、独自のものを製作しました。その機関車の多くが"門司鉄道管理局"内で多くみられたため「門デフ」という愛称でファンに親しまれていました。
 
 
 
その「門デフ」タイプには他にも類似形状が存在しており、"長野工場"の「長工デフ」や"後藤工場"生まれの「後藤デフ」などが存在しています。ただし、形状によっては気流を生み出す効果が充分でないという説もあります。
 
 
 
 
△"後藤デフ"は上越線を走るD51にも装着された。このタイプは兜のようなイメージ
 
 
 
 
 
 
 
・・・長い説明になりましたが、とてもマニアックな世界のお話です
 
 
 

 
秩父鉄道のプレスリリースをみるとほぼ一ヶ月の間は装着しているので、可能な限り秩父鉄道に通って撮影をしたいのですが、今まででしっかり撮影出来たのは実質1日です。イメージを固めてゆき、天気が良いときに狙いを定めていくと・・・難しいですね。特に梅雨の時季は難易度がグーンと高くなります。
 
 
沿線の撮影場所は把握しているのですが、光線の状態をどう上手に扱えるかが写真の出来に関係しそうです。例えば、デフレクターを光らせるアングルや
 
 
 
 
 
 
 
半逆光で『JNR』サインにスポットを当てるアングル
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「プチ・フレームアウト」も良いかもしれません。
陽気はほぼ夏と同じなので、煙は最初から出ないものだと考えた方が踏ん切りがつきます。
この写真の場合は最初から角度は決まっていて、現場では緊張感が引き立つ構図・光線を考えます。この装飾デフの場合は限りなく横から狙うのがベストです。しかし、真横から撮影をすると平面的になり奥行が消えてしまいます。すると重量感の表現が難しくなります。そのため、顔がわずかに見えるアングルにアタリをつけます。
 
 
シャッタースピードも少し遅めがいいですね。
流し撮りのための1/125秒ではなく、被写体のディティールを最大に引き出すための1/125秒です。
 
 
下端は切れてしまいますが、サイドのマークを主体とした写真としては一味違ったものが仕上がりそうです。本当に見せたい部分があるのであれば、被写体を大きく捉えて表現するべきですね。列車を頭からお尻まで入れての記録写真を撮ってしまうと、本当に伝えたい部分が画面のなかで小さくなってしまいますから。気に入った写真を撮るためのコツですね!
 
 
 
 
 
今日はここまで!それでは、また次回~

We love photograph!




                    えんまさ



 
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2013-06-07

日の丸で鉄道写真


最近、撮影していると自然に"ある構図"に行き着くようになってきました。それも鉄道写真ではタブーとされている"日の丸構図"。でも、いろいろと考えると、理に適う点も多いことに気づきました。
これを読んだら、この構図が大好きになっているはず!
 
それではなぜ、日の丸構図がタブーとされるのでしょうか。
私見として「初心者が構える場合が多い」・「プロが好まない」の2点が大きく関係しているように思います。撮影のハウツー本も最初のページには決まり事のように書かれていますね。
 
 



初心者が・・・はともかく、プロが好まない理由を考えてみましょう





モノの本には、主題は中央ではなく端に配置されることが良し、画面の対角線上へ副題を配置することでバランスがとれると書かれる場合が多いです。この写真では見た瞬間に列車へ視線がゆき、次に右にある背の高い木へ誘導されることで、画面のひろがりを狙う効果があります。風景写真でも多く見られますね。これがプロの推奨するワザともいえます。



日の丸構図を敬遠するもう一つの理由として、出版業界に携わる関係者は写真が見開きページになることを考え、「主題が中央部にくると都合が悪い」と避ける場面が多いです。





ここまで説明をすると、やっぱり日の丸は・・・となってしまいそうですが、本題はココからです。
それでもなぜに日の丸構図を推すのか。それは実に単純な理由ですが、レンズの中央部が使えることにあります。最初の写真はE6だったので、今度はB6で説明しましょう!




主題はド真ん中、直球です。この写真の中央部と周辺部を切り出して比較してみましょう。
前回に引き続きイジワルな検証です。

 

ズームレンズを使用し、絞り値はf/9.0です。やはり中央部の解像感は段違いですね。質感までも描写できそうです。レンズはもとより、カメラにとっても中央は得意な部分です。特にオートフォーカスにおいては非常に高い精度を保っています。今販売されているカメラの大半は2000万画素に近づくものが多いです。そうなると、ピントを合わせるにしても人間の眼以上の精度が求められます。現代のカメラはスゴイのです!



これを体感してしまうとオイシイ部分を狙って使いたいと考えるようになりました。
それにやっぱり車両が画面に中央にドーンとくる方が写真的にもインパクトが強く、納得した作品につながることが多いです。広告や映像作品の印象に残るようなシーンを思い返すと、ド真ん中のインパクトは他の構図にはないインパクトを生み出します。




もちろん全てが日の丸だと息苦しいですが、勝負をかけるときには積極的に真ん中を使いたいものです!
ぜひ、上級者の方は試してみてくださいね。





今日はここまで!それでは、また次回~
We love photograph!




                    えんまさ