新年明けましておめでとうございます!エンドーです
みなさんは良い年末年始を過ごせたでしょうか?
こちらは年末~正月とかけて撮影三昧でした。
過去には道の駅での年越しもあり、今年は比較的ゆっくり過ごしていました。
さて、今年の干支は「午」 "UMA"と書いて"ウマ"です。
それにちなんで(?) "石炭を食う鉄の馬"(IronHorse)で作品づくりをしていました。
秩父鉄道の「はつもうで」号のヘッドマークにも颯爽とした姿が描かれています。
これは真面目な話ですが、冬季は蒸機のハイシーズンです。
煙突から出る煙は温度差が大きいほど、ボリュームが増してゆきます。その結果、作品には鬼気迫るような緊張感が生まれ、キリッとした印象が表れます。余談ですが、人間の集中力は10分しか持続出来ないというのが持論です。そこから逆算し、列車通過の30分前から撮影体制に入るように心がけています。早すぎても遅すぎてもいけません。冬の撮影では体力温存が重要なため、このスタンスが応用できそうです。
最初の10分は立ち位置の選定、次の10分はカメラの設定。そして最後の10分は仕上げの時間。
光線の確認とシャッターを切るポイントを念入りにシミュレーションします。そうすると、イメージに近いものが撮れるはずです。ぜひ一度試してみてください。
上の写真を撮り終えたあとは、ササッと手持ちに替えて日章旗を中心に構図をつくります。
焦点距離は600ミリ。数字だけみると難しそうな撮影ですが、カメラコントロールさえ身につけておけば同じ場所に立っていても2・3カットは余裕で稼ぐことが可能です。
望遠領域では見かけの速度が遅く手堅いカットから冒険したものまで自由に撮影が出来るのです。
ハウツー本では必ずといっても良いほど、 蒸機撮影は煙が不可欠だ。と書かれていますが
僕の場合は半分以上の割合で煙を捨てた構図を選びます。
もちろん煙を生かしたカットも大切ですが、それの最たる欠点は「一歩引いた構図で撮影するため、列車の姿が小さくなる」ということです。「煙は命」と考えている人も多いですが、場合によっては画面内に隙が生まれ緊張感が薄れます。ときには煙が"命取り"になるときも多く、列車の通過直前までモヤモヤと頭を抱えます。そこが楽しくもあり、苦しくもあるのです。ですが、狙い通りに撮れたときの爽快感は、思わずガッツポーズが出てしまうほどに他では味わえないものです!
三が日を秩父鉄道で過ごしたあとは、北関東の真岡鐵道へと移動です。
この路線で一番の目玉はもちろんC11・C12のタンク機関車ですが、この日は早く撮影地に到着し、地元の鉄道ファンの方に交じり、巷で流行っている太陽を列車の隙間からみせる「窓抜き」という遊びに挑戦してみました。その結果は・・・
もちろん一発OK!・・・と言いたいところですが、、、一本目は失敗しました。
思い切って運転席横の窓に狙いを定めましたが、微妙にタイミングが合わず。難易度が高すぎたようです。加えて撮影のポイントを解説しながらのシャッターを切ったので、とても恥ずかしく・・・(笑)
10分後に通過する列車は大きい窓に照準を定め、簡単に撮影出来ました。それでも悔しさは残ります・・・これも新たにリベンジでしょうか。
ここからはメインの撮影です。
冬の煙は機関車にまとわりつき、ときには姿を隠してしまいます。大事な場面ではガッカリしてしまいますが、スナップ撮影をする際には良いアクセントになります。隠れそうで隠れないくらいのところが一番いいですね。走行場面のみでなく、停車しているときにもシャッターチャンスは潜んでいます。
この日は機関車が2両連結される重連。
加えて客車は牽引しない、非常に珍しい運転形態での走行です。
機関車のみの単独運行ですが、[正向重連・逆向重連・背合重連]と車両の繋ぎ方や進行方向を変化させ、凝った演出をしてくれました。新年早々の大盤振る舞いに感謝です。
貴重な機会なので、今回は記録主体の撮影は控えめ。あくまで自分のイメージを追求することにしました。
2両の場合なら、サイドから狙う場所が最適でしょうか。
全体の長さも普通列車の1両+α なので撮影地の自由度もはるかに広くなります。
ちいさい機関車が小刻みなブラスト音とともに走ってゆく姿はフォトジェニックの極みです。
特にこの路線では、少し引いた構図の方が"らしさ"を表現できそうです。
ひたすらサイドを狙いつつ、こちらも車両・風景・煙とテーマを変化させてゆきます。
そうすると自然と主題のサイズ・画面配置・光線の扱い方にばらつきが出てきます。その違いをコントロールできればこちらのものです。フィールド撮影の最も楽しい要素です。鉄道車両は来る瞬間まで被写体が現れないため、ある程度の慣れは必要です。可能であれば撮影前に実物をみて、大きさを把握しておくとイメージを狙いやすくなりますね。
今回の撮影で一番苦心したのが、逆光の処理です。
ご存知のとおり、冬の光線はとても鋭くフレアやゴーストが画面に強くでてしまいます。普段使っているレンズは逆光に強いことがウリのひとつですが、それでもクッキリ現れてしまいました。
その対処法として、レンズフードは必須です。とくに山切りされている「花形フード」であれば、溝が浅い部分を覆い被すように遮光用のテープを貼る。あるいはレンズの先の部分が、たとえば電柱の影に隠れるような位置でカメラを構える。もしくはレンズの構成枚数が比較的少ないもの(単焦点)に付け替える。などの工夫が必要です。この撮影を経て、東京に帰ったあとすぐに汎用性のあるラバーフードを買いに走りました。備えあれば憂いなしですね!
今回はいつも以上にマニアックになってしまいましたが、いかがでしたか?
新年一発目としてはかなり濃い内容ですが、それほど蒸機の撮影は楽しいのです。
ハイシーズンはまだまだ続きますが、集中力はMAXで駆けぬけます!
だんだんとこの辺も話題になってくる頃ですかね?
今日はここまで!それではまた次回~
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photograph!