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2013-12-05

新しいSILKYPIX Pro6


 
こんにちはエンドーです。おかげさまで蒸機強化月間(?)はひと段落しました。
『だんだん寒くなったな~』なんてのんびりしていたら、指の先から「バチン」と・・・うかつでした。
これからの季節は静電気に気を付けて撮影に行きましょう。
 


さて、紅葉盛りを向かえていたころに話は戻ります。
約2週間ほど前になりますが、SILKYPIXに最新版の「6(β版)」が登場しました!
皆さんには 『何を今さら~』 といわれそうですが、デジタル写真において、カメラは【身体】・ソフトウェアは【頭脳】です。いくらカメラ(撮影ワーク)のみで作品を仕上げようとしても、出来ることには限界があります。画像処理は撮影同様に、作品をづくりでは大きなウェイトを占めます。とくにRAW現像はJPEGやTIFFの画質を向上させることが容易なので、しっかりと取り組むと良い結果につながります。大切な作業です。



さっそく新しい「6」を試してみましょう!
詳しい機能説明はスペシャルサイトにおまかせするとして、こちらでは新機能にはどのような効果があるのか動かしてみます。まず最初に登場するのは秩父を走るC58です。
 
 
 
これは持論なのですが、蒸機に一番似合う光線は冬の斜光線だと考えています。
なぜならば、機関車のディティールが浮かび上がり、煙も透過光によって存在感が引き立つからです。その対比がキリッとしたイメージにつながるのですが、両者には著しい明るさの差があります。いままでの作品づくりでは、残念にもどちらか一方を犠牲にしてました。ですが、この写真ではどちらも良好に表現されています。ここが「HDRを進化させた」DP6の優れた機能なのです!
 

 
 
 
ご存知のとおり【HDR】はハイダイナミックレンジ。つまりハイライト&シャドーを同時に操作しデータを「人間の眼で見た」感覚に近づけていました。ですが、デジタルにおいて"シャドーを持ち上げる"というのはある意味で"禁じ手"なのです。


いまでこそ『この写真はデジタル臭い色だね~』なんていう人も少なくなっていますが、その要因のひとつがダイナミックレンジの広さ。つまり黒が締まらないことに在りました。その点では機関車は<黒>ですから【HDR】は敬遠していました。ですが、今回からは拡張機能として【ハイライト側】【シャドー側】を優先的に選べる仕様となりました。





左は [HDR-焼き込みのみ]を掛け、右は元データそのまま。
少しメーターをいじっただけで、失われた階調性がまるまる戻ってきました。
とても便利な機能です。DP5に比べより直感的にコントロールができ、画像の追い込みも苦労せずに済みました。個人的にはこの機能が一番使う場面が多くなりそう。




もう、蒸気機関車を撮影する人にとってはこれ以上ないくらい親切な機能です。
カメラ内の処理だけでは得られない効果が簡単に手に入るわけです。
このメーターだけでも充分に満足なのですが、DP6には他にも進化したポイントがあります!!
新機能の次は"正統進化"であるノイズリダクションをみてみましょう。
いまやRAW現像ソフトには当然の機能ですが、新バージョンではさらに磨きがかかっています。






以前にもご紹介したこの写真。トンネルを飛び出すポイントで狙い、新幹線の顔が愛嬌のある生き物のように撮影したものです。前回は焦点距離の話のみでしたが、まだまだウラ撮影テクニックがあるのです。




まずはピントについてです。個人的に普段の動体撮影の場合はAFを多用しますが、この写真では置きピンで撮影をしています。それはトンネルを飛び出す瞬間はあまりにも短く、充分な合焦精度が出しにくいと判断したからです。では、さっそく置きピンを、と思いファインダーを覗いたものの・・・・ピントを合わせる目印が全くありません。困りました。
ですが、少し考えてみるとその解決法は簡単に見つかりました。それは構図の内以外の場所に目印を見つけ出すことです。つまりは「トンネルをでる瞬間」を狙うのですから、あらかじめ構図の外にある出口付近の壁にピントを合わせることで問題は解決です。これは写真に限らずなのですが、思い込みとはとても厄介なものです。気を付けないと凡ミスを引き起こします。



次にポイントとなるのがシャッター速度です。この場面では前面をハッキリ写すこと重要なので1/6400秒を選びました。焦点距離は換算720mm相当です。鉄道写真では特に勘違いされている方が多いのですが、『焦点距離が長ければ長い(望遠)ほどスローシャッターでもよい』・・・というのは半分ホントでウソです。しっかりとその説明をしている書籍や人がほぼ皆無なため、誤解を生む場面が多いのです。
望遠レンズでスローシャッターが使える前提として、画面の中で列車(動体)の一定時間内における移動距離が短い・あるいは角速度が無視できる程度の場合に限りという文言が抜けているのです。解説のために角速度や一定時間内における移動距離うんぬん・・・と言い出すとキリがないので今回は省略しますが、焦点距離とは関係なく、列車を大きく写すときには高速シャッターでブレが減る。と考えておけばOKです。





話がだいぶ逸れてしまいましたが、ここからが本題です。
同じ写真を同じ設定で処理し、ノイズリダクションの比較をDP5とDP6で検証してみました。



上の切り出し画像は従来のDP5、下が新しいDP6です。黒や白といった無彩色上ではノイズが目立ちやすく明らかに両者には結構な差がでました。前のバージョンではノイズが取りきれていない部分がありますが、新しいバージョンではノイズを除去した上で線や輪郭がちゃんと表現されています。

ここだけの話ですがWEBの性質上、本当のノイズ検証は出来ていないのでご注意ください。なぜならば、この画像はJPEGに変換をしないとアップロードが出来ないためです。JPEG変換時に生じたブロックノイズが画像に上乗せされています。TIFFデータをそのまま貼りつけたい場面ですが、今回は両者比較でご覧ください。

、、、という訳なので、実際にそれほどの効果があるのか。それを知りたい方は実際にDP6をダウンロードして使ってみてください。2013.12.20までβ版は無料試用できるようです。





さぁ名残惜しくも最後は個人的お気に入り機能のファインカラーコントローラーのご紹介です。
といってもこのメーターは以前のバージョンにも搭載しているので、特に目新しさはありませんが・・・紅葉の写真を仕上げたいときは最良のメーターです。





僕自身、鉄道写真を愉しんでいる方々の写真を拝見する機会が多くあります。
構図はしっかりとしたものが多く、列車もキッチリ写っているのでこちらも楽しくなるのですが、ひとつだけ違和感を覚える処理方法をしているところがあります。それは彩度です。
気持ちはよく理解出来ます。彩度を高めるほど、どんどん存在感が増してゆきます。パッと見の印象は良くなるかもしれません。でも、よくよく写真を見てみるとグラデーションはガタガタ。画質はボロボロ・・・というものも多いです。惜しいと思う作品は数えきれません。
 
 
彩度を具体的にどう扱うのか、を教えることは難しいです。個人個人で感覚は違いますから。
そうですね、画像処理そのものを料理に置き換えて考えると意外にも理解しやすいかもしれません。

 
《RAWデータは材料》 《明度・ホワイトバランス・コントラストは調理》 《彩度・シャープネスは隠し味》 とすればイメージが湧いてくるでしょうか?
もちろん同じ料理を作るにしても人によって味が異なります。たとえばカレーなんてどうでしょう。一流シェフから家庭の味まで様々なものがあります。どの味も個性に富んでいて美味しいです。
ですが、丹精込めてつくった料理も台無しになる瞬間があります。それは《隠し味》を入れすぎたとき。いくら隠し味だからといって、最後に醤油やソース、はたまたチョコレートをドボドボと入れすぎると、本来の良い味が吹き飛んでしまいます。もちろん少量であれば良い結果につながりますが、《隠し味》の入れすぎにはご注意を。



 
何となく彩度とはどういうものなのか、イメージを掴んでもらえましたか?
この感覚で彩度と向き合うことができれば、もうマスターしたも同然です。存分に自分のレシピを追究してください。いい作品が仕上がります。 

 
ファインカラーコントローラーの話に戻りますが、使い方は簡単です。
 
まずは一番下にある「絵の具のマーク」をクリックし、メーターを表示させます。
次に処理している画像の持ち上げたい色にカーソルを持ってゆきます。すると色彩円の中に小さな〇が表示されるので、その場所を選択します。これで選択は完了です。あとは特定の色に対してのみ彩度や明るさを変更させることが出来ます。とても簡単です。
 
 
紅葉の写真であれば、色付いた葉っぱにカーソルをあて、表示された〇の範囲をクリックするだけで、その色のみをコントロールできます。
ここでひとつだけアドバイスです。「色相」「彩度」「明るさ」と3つの要素が選べますが、最初は「明るさ」のみを操作してください。やりすぎは良くありませんが、すこし明るくするだけで印象はガラっと変わるはずです。ぜひお試しを!
 



 
 
そうでした。他にもパワーアップしたことがあります。
今回のソフトウェアから画像の処理速度がはやくなりました。嬉しいですね~
ここ3日間で現像したもの、その一部をごらんください!
 







 
 
 



 

 
撮影日数でいえば、10日分の量をサクサクとこなしてしまいました。また撮影に行かないといけませんね。 ソフトウェアの進化は頭脳の進化ですから、とても作品づくりが楽しいです。
みなさんもこの楽しみを存分に味わってくださいね!
 
 


 
今日はここまで!
それではまた次回~

We love photograph!








                    えんまさ

【関連】

SILKYPIX Developer Studio Pro6 (β)

 
 

2013-11-12

E6甲種のウラばなし

 
こんにちはエンドーです
蒸機強化月間がひと段落し、ホッとしている心情です。
しっかり作品づくりしてきたので、のちほど公開してゆきますね。
 
さて先日のリアルスコープハイパーは新幹線の特集でしたね、鉄ちゃんには嬉しい内容です。
実はE6甲種輸送に関して少しだけ番組に協力していました。予想以上に反響が大きいため、今回はその当日の様子について書いてゆきます。お蔵入りになったカットも公開しますので、ぜひご覧ください。ちなみにカメラストラップはSILKYPIX特製のものでした。ロゴマーク見えましたか?
 
 
 
 
今回の走行区間において一番の見せ所は「富士山とE6こまちのコラボ」でした。
なぜかといえば、走行区間なかで一番盛り上がるポイントだからです。実は番組が収録されたのは9月の中旬。まだまだ気候は夏。そうなると富士山に雲が掛かる率が高くなるため、当初は車両中心の撮影地を予定していました。しかし撮影前日の天気予報を確認すると、年に数回あるかないかというくらいの快晴予報。これほど幸運はめったにありません。静岡県内のポイントへと無理を承知で変更しました。対応をしていただいたスタッフの皆様に感謝します。
 
 
 
 
当日選んだポイントは撮り鉄には有名な黄瀬川鉄橋です。
キャパシティーが広く、安全に撮影出来るので良い写真が撮りやすい環境です。
現地には朝3時に到着し、狙ったポジションを確保しました。
 
 


朝7時ごろに列車は定刻に通過。やっぱりE6の赤色は強烈ですね。
一番の理想は山頂付近で冠雪している状態ですが、時期が早かったようです。



ところでこの写真をみて、あることに気づいたしょうか?実は鉄道写真の鉄則を無視しています。
それは一両目の中心に障害物(電柱)を被せている点です。本来はタブーな構図ですが、これもE6を最良に写すため「あえて」選んだ構図です。なぜでしょうか。



想像してください。セオリー通りに列車が10メートル進んだ地点(一両目の後方)でシャッターを切ったと仮定します。すると、E6の前面に「電柱の影」が落ちてしまい、写真としての見栄えが悪くなります。さらに5メートル進んだ場合は「電柱」そのものがE6前面に被り完全にNGとなります。

大変にシビアな撮影地です。シャッター位置のために二日間動画を観てシミュレーションを繰り返し撮影に挑みました。映像では笑みがこぼれましたが、そういった背景があったのです。






放送では先頭の様子だけでしたが、もちろん最後部のカットも押さえてあります。こちら側もれっきとした先端部なので、同じ撮影地で"二度オトク"です。




ここからは未放送の撮影地です。
列車は静岡県を通過すると、関東へ大回りをして日本海へ向かいます。
その間に高速道路を経由し武蔵野線の撮影地へ移動です。黄瀬川の撮影地を8時に出発し、山梨を経由。中央道の府中インターを10時半に抜ければお昼の通過には全く差し障りありません。余裕をもってセッティング出来ました。

 
口があんぐりあいたE6も結構レアな風景です。
とくに連結器と反射板を組み合わせた姿は、こういった特殊な輸送の場合以外では見ることは出来ません。
貴重な姿です。
 
この写真のポイントは少しだけ望遠で撮影をしているところです。135mm程度の中望遠を使うことでE6のノーズが長すぎず、短すぎず、適度に表現されます。全面が長いとピント位置であれこれ迷ってしまいがちですが、人間の眼と同じでライトに照準を定めると自然な仕上がりになるのでオススメです!




次は最後の撮影地、岡本~本庄間の通称"オカポン"へと向かいます。
武蔵野線の地点から一時間半あまり。距離にして約60キロ。関越道を利用して通過する30分前に現着です。

 
天気も引き続き快晴で集中力も絶好調です。こちらでも脚立にのって列車の邪魔になる障害物を極力避けています。写真は細かい部分に作者の意図が隠れているのです!
この撮影地では100名を越す撮影者とともに、ひとときを過ごしました。みなさんの集中力にはすごいものが感じられますね。気合十分でした!
 
 
いかがでしたでしょうか、今回のE6甲種輸送の様子は?
神戸から秋田までの移動の最中、いろいろなドラマがありましたね。撮り鉄のみなさんも去ることながら、チビっ子の姿が印象に残りました。目を輝かせて列車を見る姿は、純粋な鉄道少年そのものです。また、そういった視点から写真は生まれてゆくと思うのです。これからも応援よろしくお願いします。
 
 
 
今日はここまで!
それではまた次回~(^^)
We love photograph!






                    えんまさ
 
 
 
【今回使用したアイテム】
 
 
【撮影テクニック】
 
 
 
 
 

2013-10-23

秋の空

こんにちはエンドーです!
遅めの台風シーズンのおかげで天候が悪いですね。
もう10月なのに暑い日があり、その数日後には北海道で雪が降っている・・・なんて考えられないような日々が続きますね。このまま何事もなく紅葉が進んでゆくと良いのですが。
 
 
さて、今回は富山のつづきです。
 
 
実はまだまだ夕暮れの情景を狙っていました。
雲の形や光の具合はこの時がピークでした。これだけ写真映えする空はめったにありません。
「何でもいいから今来い!」と念じていると遠くから3灯のライトが見えました。
貨物かと思いましたが、現れたのは485系でした。


新型の特急も良いですが、国鉄型は順光でも逆光に関わらずにいかに撮っても様になりますね。
無骨な外観には不思議と愛着が湧くような気がします。写真としてはわざとホワイトバランスを操作したくなる場面ですが、現像の時点では晴天モードのままで仕上げました。それでも青・赤・黄色は豊かです。その後は暗くなったので、この日は終わり。


 
 

翌朝はライトレールを撮影後、足早に山間へ移動です。
この旅の目的のひとつである、ダブルデッカーを捉えるためです。




元々この車両は京阪の所属でしたが、新車の置き換えで富山地鉄へと譲渡されました。京阪時代と比べると少し短いですが、とても風景に馴染んでいます。私的な考えですが、初めて撮影する被写体の場合はまず順光で編成写真をおさえます。写真では"表現"も大切ですが、"記録"も大切な要素です。被写体のことをよく知るためにも一歩目は編成写真から始めます。





編成写真の次は風景写真が気にかかります。
撮影地を選ぶときに最も大切なのが「ダブルデッカーから眺めるたとき、どの場所が一番感動するだろう」ということです。その点を考慮すると、見渡しのよい大鉄橋は二階建て車両やパノラマカーにとっては最高のシチュエーションのひとつといえるでしょう。いい眺めです!






「編成写真」「風景写真」を撮影すると、なんとなく被写体の大きさとか雰囲気が感じとれるようになります。そうなればこっちのもの。光線さえ把握しておけば、フレームアウトも楽勝で仕留められます。ここまでくると「イメージ写真」となるわけです。一見むずかしそうな構図ですが、順序を守り緊張感を引き出すと撮影は案外あっけなくできるものです。





 こっちはフレームアウトを狙うあいだ、反対方向にコンパクトデジカメを構えての撮影です。
デジタル一眼レフとは違い、コンパクトカメラは得意なことと不得意なことの差が顕著に表れます。描写力に関わる部分はどうしようもありませんが、シャッターラグやAFの使い方などは「人間が頑張れば解決すること」です。カメラに足らない部分を補ってあげるだけで、これくらいの写真は簡単に撮れてしまいます!
カメラも軽いし、広角から望遠まで片手操作で済んでしまうのだからスゴイ時代になったものです。



ダブルデッカーも車庫へ戻ってしまったので、信州の長電へ寄り道してゆくことにしました。
以前この場所に来たときは上条駅のあたりで撮っていたので、今回は夜間瀬へと向かうことにしました。この路線は駅の雰囲気がとても良いのでとても気に入っています!






車両もなかなか年季の入ったモノが走っています。
元営団("メトロ"ではなく)の3000系の通称「マッコウクジラ」が走っています。ステンレスの車体は案外凸凹していて、表面の反射率も優れています。とても写真映えする被写体なのです。

秋の信州を空気を味わいつつ、今回の旅は終わりました。
これからは空のグラデーションが美しく、煙が映える斜光線のシーズンとなってきました。
蒸機の忙しい季節です。気合を入れていきましょう!!



今日はここまで!ではまた次回~
We love photograph!






                    えんまさ

2013-10-11

富山は初秋

こんにちはエンドーです!
秋風が心地よいですね。ここだけの話、暑いのは少し苦手です。
一応は夏生まれですが・・・。実際に暑さのせいで、集中力も途切れることもままあります。
 
 
そうなると「春」や「秋」の季節は作品創りの時期といえるます。
すこし日照時間は短いですが、チャンスを絞って緊張感を高めるとイイ作品ができるはずです。
たとえ、春の朝日は撮れなくとも秋の夕暮れを主題とした秀作は多いので楽しんでいきましょう!
 
 
 
 
 
 
日本全国いきたい場所は多々あるのですが、連想ゲームで決めるのもいいですね。
僕の場合は "秋"というと"風" / "風"というと"海" / "海"といえば"日本海"(∴ "秋"といえば"日本海")
なんて具合でした。今回の気分は《北》よりも《西》!! 最終的に富山に決めました。

 
 
 
 
 
富山に到着すると、雲ひとつないほどの快晴。汗ばむくらいの天気です。
撮影をしつつ合間に空を観察するも、どこまでも広がる青空。ず~っと青空。
空をみていたら、ふと夕陽のイメージが浮かんできました。
 
 
 
富山で撮影を続けるつもりが・・・いつの間にか新潟に来ていました。衝動とは恐ろしいですね。
それでも来た甲斐はありました。立山連峰の姿もバッチリです。
 
 
 
 
 
この場所で最も撮りたかったのは「トワイライトエクスプレス」
ですが、通過予定時刻は18:05。少し時期が遅れてしまいました。
周囲は真っ暗ですが、せっかくなので通過を待ちました。
しばし写真のことは忘ます
 
車窓からこぼれる光は暗闇であるほど、周囲へ拡がります。薄く照らされた波
その音を聞きながら通過してゆく夜行列車は旅の醍醐味です
 
ただ、それを写真で表現することは難しい時間帯なので、いつも歯痒い思いをしています。
醍醐味を表現するには、「高感度の良し悪し」で単純にきまる話でもないのが写真の辛いところです。
いつの日か作品として仕上げたいものです。






 
その夜、疲れをとってから富山へ再移動です。日付が変わるまえには現地へ着きました。
日の出から相も変わらず天気は晴れ。撮影には最高の二日間です!
 
 
 
 
 

 

幸運は続くようでタイミング良く朱色の列車もきました。
 

いままで海をまじまじと見つめたことはなかったのですが、「青色」にはさまざまな深さがあるんですね。絵画であれば、フェルメール・ブルー。写真では、アンドレアス・グルスキーの「オーシャン」シリーズが一番印象に残っています。









海を楽しんだあとは港へ移動です。近くを走る万葉線も一気に仕留めます!
徐々に雲の気配がしてきましたが、全然問題のない状態・・・どころかイイ感じに背景へ回ってくらました。デュフーザーにならない程度であれば嬉しいアイテムです。



 どこでもドアがついた列車もきました。
車両の短さもいい雰囲気です。まるでおもちゃを見ているようですね。




午後まで万葉線を楽しんだあとは、トワイライトエクスプレスを撮りながら夕焼けを待ちました。


線路際にススキがちらほら出てくるようになりました。そこで今回は逆光位置でカメラを構えました。
ススキは順光で撮影をすると、本当に地味に写ってしまいます。鮮やかな色でないのが原因の一つです。

雲の明るい部分にススキを配置したので、主題がわかりやすくなったでしょうか?
このあと夕焼けが魅力的になってゆきます。




続きは次回!
富山地鉄の"アレ"も撮ってきましたよ。お楽しみに~
 
 
 
 
 
 
We love photograph!






                    えんまさ

 
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【TV出演】「侃侃諤諤」に出演


バラエティ番組・「侃侃諤諤」に遠藤真人がVTR出演いたします。
番組内において鉄道写真家として出演し、鉄道好き有名人とともにVTR出演をいたします。同時に鉄道写真の提供もしております。鉄道ファンの方はぜひご覧ください。


【O.A.情報】
「侃侃諤諤」-テレビ朝日
・2013.10.17(木) / 26:12より
「東急東横線VS 京浜急行線」どっちがスゴい電車?

番組HP:http://www.tv-asahi.co.jp/kangaku/#intro


 
 

2013-09-17

鉄道写真の構図理論

こんにちはエンドーです!
台風が過ぎ、本格的に秋の到来。秋空を見ていると、まさにプラナーの色合いだな・・・と思ってしまいます。透き通る青色はとても爽やかで気持ちの良いものです。



 

先週まで続いた写真展、7日のガレリア銀座セミナーはいずれも盛況のうちに終わりました。
いまだから正直に話せますが、直前まで不安が重なっていました。それでも皆さんのおかげで、終始楽しく過ごすことができました。やっぱりお祭りは賑やかでなくっちゃいけませんね!今後も頑張ってゆくので、ぜひ参加してください。






実は銀座のセミナーに向けて、鉄道写真の「意識」と「技術」をテーマとしたパワーポイントをつくりました。今日はその一部をこちらに書いてみたいと思います。誰しもが気になるところ、鉄道風景写真の基本的な構図の作り方です。



〈鉄道風景写真 〜基本編〜〉
 
 
 
 
鉄道写真に限らず、イメージとしてダイナミックさを表現するためには、
「画面内で視線を意図的に誘導させる」テクニックを使うことが容易であり、基本です。
それは画面内にいくつかのキーポイントを配置することで、安定した構図をつくり出す効果があります。
 

 
 



たとえば、このような構図です。
もし仮にタイトルをつけるとしたら、「富士山と新幹線(N700A)」でしょうか。
主題は富士山、副題が新幹線のとき、キーポイントはの位置に配置させます。
すると目線の移動は、の順に変化してゆきます。



 
 
 
富士山から先頭部、つづいてロゴマークへと視線は誘導されます。
では、なぜこの配置がダイナミックな風景写真向けの構図なのでしょうか?
 
 
それは 視線の移動距離が長いほど、人間は「大きな物をみている」と錯覚するからです。
画面内で最も距離がある場所は、縦でも横でもなく「対角」です。
これが画面をダイナミックにみせる、最も簡単で効果的な手法です。
 
 
 
 
〈鉄道風景写真 〜応用編〜〉
 



基本の次は応用です。
実は縦構図は横構図と比較すると、独特な性質があります。
画面配置と視線の流れを再びで追ってみます




 
 
基本編の構図と最も異なるのは「対角線を使わない」という点です。
それでもダイナミックな効果を得られるのです。なぜでしょうか?
 
 
実は縦構図では「上下端」に主題と副題を配置するだけでも、充分な視線誘導効果が生まれるのです。横構図と比較すると縦構図は特殊なのです。
 
 
 
加えて、この写真の場合は遠近法も用いています。
掛け軸に多用される「上にゆくほど遠く、下にゆくほど近い」という合わせ技でダイナミックさを演出しています。
 
 
 
 
 
 
以上、鉄道写真構図の理論的なお話でした。いかがでしたか?
 
セミナーでは他にも、日の丸構図の良さ・動く被写体をきっちり捉える方法などをお話しました。
もちろんRAWも実践しました。「ギラリ」を魅力的に仕上げるためには、ガンマの大切さを理解いただけたと思います。楽しいセミナーでした! また機会があるときは告知しますね。
 
 
 
 
 
 
今日はここまで! それではまた次回に~


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えんまさ
 
 

2013-08-30

会津から銀座へ


こんにちはエンドーです
まだ日差しは強いです。それでも空を見上げるとすっかり秋の色になっていますね。
暑い日々もあと少しです。気を引き締めていきましょう。


先週は会津で浴衣撮影会の講師をしていました。
奥会津温泉郷協議会と鉄道写真の愛好家などでつくる、奥会津写真家集団「写好景嶺(しゃすけね)」が主体となったイベントです。わたしは第二回麺'sフェスティバルに引き続き、二回目の登板。
列車の写真ならこちらも慣れていますが、モデル撮影となると話は内容は全くの別もの。まして駅舎内での撮影なんて、なかなか出来るものじゃありません。参加したみなさんにとっても、貴重な体験になったでしょう。二日間とても楽しかったですね!

 

普段は列車しか撮らない人・ポートレートしか撮らない人の異種格闘技戦のようで、とても緊張感がある撮影会でした。ポートレート撮影の定番は望遠レンズ&後ボケでモデルさんを引き立てますが、今回は「駅」という空間を意識するために広角~標準レンズを積極的に使い、撮影に臨んでもらいました。


なかには関東からお越し下さった方や撮影の合間に駆けつけてくれた方もいらっしゃいました。
とても嬉しかったです。ありがとうございました。昼間はモデルさんを撮影し、夜は連日温泉&大宴会。とくに会津で食べる馬刺や日本酒の美味しさは格別!!最高のもてなしでした
朝は宿から徒歩3分の撮影地に向かう・・・まさに夢のような三日間でした。




「写真の町」といえは北海道の東川町ですが、「鉄道写真の里」があっても良いかもしれませんね。
只見線なら年に2回はSLが走るし、四季の変化も富む路線はなかなか存在しません。撮影地も広いところが多いので、好きなアングルで作品創りができる。最高の環境です!




もうすぐ稲刈りの季節になりますね。田んぼも黄金色に近づいています。
今年は11月にSLが走りますね。その機会に遊びに行けるといいな!





後ろ髪を引かれつつ、最終日の夜には"ある準備のため"に会津を発ちました。
帰京してからは、ひたすらプリンターと戦っていました・・・・




 
 
そう、全てはこの9/7のイベントのためです!!
カラーマッチング を 鉄道写真で解説するセミナーです。
わたしは撮影~RAW現像パートを担当します

RAW現像とカラーマッチングの無料セミナー「鉄道写真を魅力的
   に仕上げ、イメージ通りにプリントする。」 
場所はみなさんご存知の[ガレリア銀座]です。福島から一気に23区まで来ちゃいました
当日は「鉄道写真において撮影時に気をつけること」から「プリントの色をモニターに合わせ込む」流れを勉強してゆきたいとおもいます。





撮影で大切なことは大きく分けて2つあります


【意識】― 構図の決め方や光線の使い方をお教えします
【技術】― 鉄道に適したカメラの操作、ピント・シャッターの扱い方をお教えします


いかがですか?この2つをマスターするだけで、写真の質はとても向上します。
「写真の撮り方」のような本を読んでも、正直にいって理解できないことも沢山ありますよね。
その部分を時間の許す限り、丁寧に説明できるように準備しています。

そこまでの内容で参加費はタダです。セミナーの最後にはお持ちいただいたデータを実際に印刷することも出来るので、プロの環境を体感してみてくださいね!




今日はここまで! それではまた次回~
                                

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えんまさ