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2013-01-11

カラーマッチング!!




 新年明けましておめでとうございます!前回に引き続き、Spyder特集の第二段です。
今回はキャリブレーションツールの役割と使い方について一緒に学んでゆきましょう。
少し難しい内容ですが、これであなたのモニターとプリントの色は限りなく近づきます。
それではスタートです!

【モニターとプリントの違いは?】
 まずは本題に入る前に色の基礎知識から勉強です。実に初歩的なことですが

[モニターは光の三原色である、RGB(レッド・グリーン・ブルー)] 

[プリントは物体三原色である、CMY(シアン・マゼンタ・イエロー)] 


で成立しています。方式が2種類あるわけですね。では、何故どちらか一方に統一をしないのでしょうか。
それは両者のシステムが違うためです。当然ですが、モニターは画面そのものが発光し、色を形成します
そのため、環境光には影響されません(直射日光などの強烈なものを除く)。反対にプリントは自ら発光することなく外部の光を取り込み、紙に反射をすることで色を再現します。ここが両者の違いです。

【プリントを見るためにまずは環境(鑑賞)光】
 根本的な違いを理解したところで、次はプリントに関するお勉強です。
「環境光」という言葉はご存知ですか? 平たく言えば、空間を取り囲む光のことです。
室外であれば太陽、室内なら蛍光灯、などが代表的な例です。ここで問題となるのが、光(環境光)は
種類ごとに特性が異なり、それぞれが固有の色合い(色温度や演色性)を持ち合わせているという事実です。
[プリントの色や明るさは環境(鑑賞)光に依存する関係にあり、結果として光の特性に振り回されます。] これが色管理をする際に大きな要素となります。画像を見て理解しましょう!


△一枚の写真を別々に現像し、画像を合成しました。右は環境光の影響が解りやすいようにホワイトバランスを標準(5000K)に設定し撮影したもの。左はグレーカードを基準として正しい色に補正をしたもの。

 これでおわかりいただけたでしょうか?画像の左半分は正しい色再現をしていますが、無補正の右側は環境光の影響を直に受けています。せっかくキャリブレーションをして、色にこだわってプリントをしたところで環境(鑑賞)光を考慮しないと意味がありません。写したグレーカードも全く違う色になってます。通常の蛍光灯なら、ここまで大幅にずれ込むことはありませんが、プリントを扱うためには適した環境を作ることがとても重要です。「環境を作る」ときくと難しそうなイメージを思い浮かべますが作業はとても簡単です。


まず、作業空間に余計な光が入らないようブラインドや雨戸で締め切ります。
次に、蛍光灯を演色性(AAA)・昼白色に入れ替えます。        
                                         これでほぼOKです
商業利用などで厳密にカラーマネージメントをする場合は、もう少し環境を整備しなければなりません。
しかし、個人レベルでモニターとプリントのマッチングを行う程度には問題ないです。演色性AAA(トリプルエー)蛍光灯も近くの電器屋さんに行けば¥2,000ほどで手に入りますが、直管形のものが多いので要注意です。そこで卓上スタンドなどを使用して、プリントの明るさや色合いを確かめる方法も考えられます。
環境が整ったところで、本題のキャリブレーションにいきましょう!!



【モニタキャリブレーション】

 「うちは高いモニターを買ったから、キャリブレーションしなくても大丈夫だよ!」とおっしゃる方も
いるそうです。いやいや、そんなことはありません。市販されているどのモニターを買ったとしても、正しい色を再現するためにキャリブレーションは必須です。なぜなら、値段や機種に関係なく初期状態ではモニターは適正な状態には整っていないからです。そのためにモニターの色域やガンマ・調子などを補正しましょう。モニターはプリントの完成形をシミュレーションするツールだと考えてください。
前回ご紹介したキャリブレーターが大活躍です!


ソフトをインストールしてスタート!計測用の【ReCAL】を選択して、ガンマは推奨の2.2で始めます。
ここからはキャプチャーで流れを追ってゆきましょう~

AAA蛍光灯の白色点は「5000K」・昼白色は「5800K」なので、それを選択・・・・したいところですが、今回は環境光をより正確に計測するために「その他」を選んで数字を打ち込みカスタムしてみましょう!

まずは[色彩計]を選択です!


  次は画面に付けずにひっくり返します。これで作業環境の白色点(色温度)を計測するのです。 
計測が終了です。いくつか左下には5989Kと表示されましたが、今回はより詳しい右上:[xyY]データを使います。


再び選択画面に戻ります。白色点「その他」を選び、CIE座標に数値(0.323x・0.342y)を打ち込めば環境光の設定はOKです!それではキャリブレーションを行いましょう

まずはピタっと!!



このような画面を次々に表示して、Spyderは計測をしてゆきます!
作業時間は20分もあれば全行程が完了です。あっという間のお手軽です。
キャリブレーションが完成したあと、手元にあったカメラで画面を撮影してみました。
【補正前】                  【補正後】

  【比較】
どうでしょう全く違いますよね?ディスプレイの初期設定は青み掛かった、色温度の高いモニターでした。本来は灰色である背景にも青色がのっています。補正前は、正しい色再現は出来ていなかったということです。これでモニターの調整はOKです。念のために書いておきますが、撮影設定は左右ともに同一です。



【プリントプロファイルを作る!】

「プリントプロファイル」・・・何となくきいたことのある単語ですね。
なじみがある場面を挙げれば、写真を印刷するプリント設定画面に現れるやつです。
本来はプリンターのメーカーなどが設定するもので、色や明るさの情報を管理する役割があります。

ですが、単純にいつも同じプロファイルを選べば良いということはありません。
なぜならプリント用紙は種類ごとに調子や色の再現性などが異なり、インクとの間で色のねじれが発生する
からです。現在は数百種類もの用紙が販売されており、全てを1つのプロファイルで補うのは不可能です。
「普通の〇〇用紙は思い通りに印刷できたけど、高級な〇〇用紙は色がくすんでしまった」
なんてことも・・・もったいないですね。この問題を解決してくれるのがSpyderPrintです!

今度はこちらのツールです!クビレ形状がいい感じですね。こちらもキャプチャーでいきましょう~
 インストールをすると、プリンターの情報を打ち込む画面が表れます。
それを済ますと、この画面に進みます。はじめはターゲットの印刷です!

 おすすめは[EZ高品質ターゲット]です。多すぎず、少なすぎず、扱い易い範囲です。
選択したターゲットを印刷する際に注意するポイントがあります。それがこちら・・・

必ず[色補正なし]を選びましょう!ここは要チェックです。
プリンターが自動で色補正するとターゲットの意味がなくなります。
気を付けて下さいね!!


ここまで来れば、もう一息!
前回の動画のようにSpyderPrintを使い、プリント情報を入力してゆきます~



計測が完了するとプリント結果をシミュレーションする画面に移ります。
このサンプルも印刷出来るので、しっかり確認して下さいね!
プリントと比較し、色や明るさがズレている時はスライダーを動かし微調整します
完成したファイルに名前をつけましょう!それでは待ちに待ったプリントです



Silkypixの印刷画面[拡張設定1]にあるカラーマネジメント欄を選択しましょう

[プリントカラースペース]の中には、先ほど作ったプロファイルがありました。
これを選択して印刷です。もちろんこの時もプリンターは[色補正なし]です!!



刷り上がったプリントがこちら!プリントの複写画像とモニター複写が、ほぼ同じように見える範囲内になりました。


今回は少し難しい内容でしたが、いかがでしたか?撮影をガッツリする人はプリントもバシバシやることが上達の秘訣です。そうなれば、色管理にもきっちりこだわりたいものです。
それでは、また次回~

We love photograph!
http://v-lamb.blogspot.jp/  
                                   えんまさ

【ご協力】

イメージビジョン株式会社SpyderSTUDIO



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Spyderがきた!!(前編) 2012-12-18






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