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2012-06-04

デジタルカメラでの色の濁りに関する事柄

楽しい記事は他の若手メンバーに書いてもらうとして、私はRAW現像に関するコラムなどご紹介していきたいと思います。

梅雨に入る前の過ごしやすい気候のうちに屋外でたくさん遊んでおきたい気分ですね。朝夕は多少体を動かしても気持ちよく汗がかける時期ですので。最近は写真を撮りに行くと言うよりは、何かのついでに写真を撮る事が多くなってきました。この日は自転車で某山道を走るついでにという感じでの撮影でした。

結構急な斜度を登る場所もあり、カメラ関連の機材はできるだけ小さくしたいですし、でもRAWでも撮りたいという事もあり、私が良く持って行くのはPanasonicのLX系、FUJIFILMのFX系、リコーペンタックスのGR系などになります。これからの時期、上着はTシャツ一枚でパンツのポケットしかありませんので、その中にも無理なく入る大きさのものからという選択肢です。特に登山や自転車でのクロスカントリーなどは足を動かすので、ポケットがもっこりしすぎてるとどうしても運動自体がストレスになってしましますし。

森の中で良くあるのが、意図せずこんな感じの色調で撮れてしまう事です。

カメラのオートホワイトバランスで撮影
なんだか色がくすんでいるというか濁っているというか。実は色の濁りの多くはホワイトバランスの中にある「色偏差」のがずれてしまっている場合が多いです。この例ですと

色偏差「20」
色偏差がマゼンタ(ピンク)側へ20シフトしていますね。通常の太陽光がマゼンタ側へ「3」なので結構ずれていることになりますね。

ここで「色偏差」について少し説明します。

と、その前にまずは「色温度」から。

色温度

色温度は暖色~寒色系の調整を行うもので、主に自然界にある光源色を遷移していきます。例えば日陰の青や、夕焼けのオレンジ、曇りの日などはこちらでほとんどの場合調節が可能です。
また、実際に人間の目にも日陰や夕焼けが青や赤に見えているように色温度が多少ずれていてもそんなに違和感を感じない場合も多いですし、クールトーン・ワームトーンなどの表現方法としても使われたりしますね。

では本題の

色偏差

こちらは、蛍光灯や電球色蛍光灯など主に人工照明の「演色性」による色かぶりを調節するものです。蛍光灯などは太陽光に似せて作られてはいるものの、完全に同じではありません。それほど人間の目には感じませんが(多少は感じるものの)これらの照明はモノによって緑やマゼンタ(ピンク)に色かぶりしてしまっている場合があります。しかもそれは照明の特性によって結構バラバラでそれを補正するのがこの「色偏差」となります。

ちょっと難しいかも知れませんが、そんなズレの方向を専門的な図で見てみるとこんな感じです。


結構テキトーな図なのであくまで概念図としてください。
中心の白がどっちにずれるか?と言うのが大きく分けて2通りあると言う事です。それぞれが色温度、色偏差となります。青~オレンジ、緑~ピンクに遷移しているのが解りますよね。

ってことで勉強になった所で写真のお話に戻ります。

色の濁りは色偏差がずれている場合が多い

そう言われると写真全体の色調が紫っぽく見えてきませんか?
これは私の経験則的で根拠などはあまりないのですが、

  • 暗いシーンで
  • 画面の中に緑が多かった場合
  • カメラのAWBは緑かぶりと勘違いしマゼンタへ過剰補正してしまう場合がある。

そこで、色偏差だけをマゼンタかぶりがなくなるように調節したものが以下の写真です。

色偏差でマゼンタかぶりを補正


色偏差のみを調節

こんな感じです。少し青く見えるのはまだ色温度側を調節していないためです。でもこのままでも日陰っぽい雰囲気はでていますのでそんなに不自然ではないですよね。

参考までにこれに色温度を調節したものも掲載しておきます。

色偏差、色温度共に調節



こちらは色温度で日陰の青かぶりを取るように補正したものです。もうこの辺りの調整は「好み」としか言いようがありませんが、一般的に

見せたい部分の色かぶりが無い状態が一番素直な発色になる。

と言う事は言えます。
皆様のRAW現像のご参考になればと思います。


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