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2012-06-27

鉄道写真で流し撮りのコツ(実践編)

こんにちは、エンドーです。
今回は撮影方法のひとつ「流し撮り」にスポットをあてて解説します。
この手法を体得すると、車両のもつ躍動感や疾走感がグっと増えます。今まで苦手意識を持っていた人もこの記事を読んで成功するためのコツを勉強しまょう!




【①見かけの速度と実際の速度を理解しよう!】

新幹線に乗っているとき、窓の外を眺めることを想像してください。
同じ速度で走行していても駅を通過するときはものすごい速さで景色が流れてゆきますが、遠くの山や街並みに視点を移すとゆっくり移動しているように感じます。
この違いはどうして起こるのでしょうか?実は見ている人から物体までの距離に関係しているのです。
そのため、同じ速度で走っている列車でも遠くの物体は遅く移動しているように、近くの物体は速く移動しているように感じられるのです。この見かけの速度の現象は三角関数を用いて証明は出来ますが、ここでは簡単に「遠くにあるものは実際の速度とは関係なく、遅く走っているように見える」と理解してくださいね!


【②使いやすいレンズとは?】

見かけの速度を理解すると「遠くを走っている列車は見かけの速度が遅い=カメラで被写体を追いかけやすい」と考えられますね。つまり単純に考えて、遠くの列車を大きく写そうとする望遠レンズほど流し撮りしやすいと言えるのでしょうか?・・・答えはNOです。
望遠レンズを使って低速シャッターを使用すると手ブレが目立ちやすくなり、200mmや300mmなどは逆に難易度が上がってしまうため、ここは絶対に流し撮りをキメてやる!と考えるときには、
135mm~85mmの焦点距離が扱いやすく、成功率が最も高いゾーンです。


【③シャッタースピードはどれくらい?】

これも流し撮りをする上で大切な要素ですね。あまり速度が速すぎると”流し効果”が薄くなってしまい、反対に遅すぎると被写体の形がブレによって不鮮明になってしまうなどの失敗要素も考えられます。そこで私が基準としている流し撮りのシャッタースピードは125分の1秒です。この速度は比較的失敗が少なく、被写体を追いかけやすいひとつの目安になります。このシャッタースピードをコントロールできれば、60分の1秒・・・30分の1秒と難易度をあげてステップアップしてゆくことが出来ます。

▲この写真は蒸気機関車を60分の1秒で流し撮りしたもの。車体の動きとロッドの躍動感を表現した。125分の1秒をマスターするとこのレベルのシャッタースピードは完全にコントロールできる。


【④超低速シャッターを使いこなそう!】

①~③を理解して実際に撮影をしてゆくと、30分の1秒までは簡単に流し撮りができ、そうなると徐々に超低速シャッタースピードの領域にも挑戦したくなるでしょう。15分の1秒・・・8分の1秒となると難易度が上がってゆくため成功率もガクっと落ち込んでしまうかもしれませんが、諦めずに何度でも挑戦です。ここまで来ると表現の幅もぐんと拡がり、オリジナリティーあふれる写真が撮れるようになるはずです!

▲新幹線は「ビュワーン」と跳んでゆく。を写真で表現してみた。シャッタースピードは4分の1秒を選択し、広角レンズ独特の歪みを利用して手前のイルミネーションが弧を描くように撮影。このときは何時間も粘ってトライ&エラーを繰り返した。


以上で基本編は終了です。次回の応用編に続きます。
流し撮りだけではない低速シャッターの使い方を一緒に学びましょう。それではっ!!


今日はここまで!それでは、また次回~
 

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